THE TOWERING INFERNO(1974)

ワーナー・ブラザーズと20世紀フォックスの初の共同製作、
スティーブ・マックィーンとポール・ニューマン夢の共演、
ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、フレッドアステアら
豪華キャスト勢ぞろいと話題ずくめの超大作だっただけに、逆に内容が
追いついてこないのではと、出来を不安視する声もありましたが、
フタを開けてみるとさすがはハリウッド、居並ぶスター達のオーラと
大物量作戦で存分に楽しませてくれました。


監督: ジョン・ギラーミン John Guillermin
    アーウィン・アレン Irwin Allen
製作: アーウィン・アレン
原作: トーマス・N・スコーシア
   フランク・M・ロビンソン
    リチャード・マーティン・スターン
脚本: スターリング・シリファントStirling Silliphant
出演: スティーヴ・マックィーンSteve McQueen
   ポール・ニューマン Paul Newman
   ウィリアム・ホールデン William Holden
   フェイ・ダナウェイ Faye Dunaway
   フレッド・アステア Fred Astaire
アメリカ映画 1975年6月公開 (165min)

                ☆★☆★

ジョン・ウィリアムスJohn Williamsの勇壮なテーマ曲にのって、
ヘリコプターが海岸線から高原を抜け、サン・フランシスコ市街の
もう一人の主役“超高層グラスタワー”にたどり着くまでのいきなりの
オープニングシークエンスは、まさに“超大作の威容”で圧倒されます。
特に雲を抜けゴールデンゲート・ブリッジが現れるシーンは鳥肌モノです。

前半は、落成式を今夜に控えた“グラスタワー”の手抜き工事が発覚し、
このままでは火災事故が起こると設計士(P・ニューマン)らが落成式の
中止に奔走します。
しかし、オーナー(W・ホールデン)の独断で落成式を強行されます。

案の定、電流のオーバーロードで火災が発生、次第にビルは
火の海に包まれ、最上階に何百人もの客が取り残されます。

ここまでで上映時間約四十分、ようやくマックィーン扮する
消防隊長が満を持して登場します。(・∀・)つ

そして、ここからは彼の独壇場になります。

宙吊りになったエレベーターをヘリに連結して救出するは、
鎮火の為に、単身最上階の水タンクを爆破に行くは、超人的な活躍を見せます。
また常に的確で冷静な判断を下し、部下たちからの信頼も厚い
まあ観ているこっちが気恥ずかしくなるくらいカッコイイ消防隊長です。

おまけにラストでは“火災に強いビルの建て方を教えてくれ”という
P・ニューマンに対して、“教えてやるからいつでも来いよ、設計屋サン。”
とニヤリと微笑んで颯爽と去っていきます。

P・ニューマンの立場がありません。(´Д⊂)

他のスターもそれぞれの見せ場が用意されていましたが、
マックィーンをはじめとする消防隊の活躍の前では引き立て役以外の
なにものでもありませんでした。

しかし、パニックに見舞われた人々の人間模様ばかりにウェイトを
置いて失敗する映画が多い中、消防隊の救出劇にウェイトを置いたことが
この映画が成功を収めた大きな要因ではないでしょうか。(^∀^)



                 ☆★☆★


「原子力潜水艦シービュー号」Voyage to the Bottom of the Sea 
「宇宙家族ロビンソン」Lost in Space などのTVシリーズを経て、
「ポセイドン・アドベンチャー」The Poseidon Adventure(1972)、
そして本作の大成功と大製作者A・アレンが
最も輝いていた時代でした・・・