I GIRASOLI (SUNFLOWER 1970)

I GIRASOLI  (SUNFLOWER 1970)
 
戦争によって引き裂かれた男と女の愛の軌跡を、
ヘンリー・マンシー二の哀しくも美しいテーマにのせて描いた
まさに涙を搾り取る悲恋映画の秀作です。

ひまわり
監督: ヴィットリオ・デ・シーカ
製作: ヴィットリオ・デ・シーカ
     カルロ・ポンティ
脚本: チェザーレ・ザヴァッティーニ
     トニーノ・グエッラ
     ゲオルギ・ムディバニ
音楽: ヘンリー・マンシーニ

出演: ソフィア・ローレン Sophia Loren
     マルチェロ・マストロヤンニ Marcello Mastroianni
     リュドミラ・サヴェーリエワ Lyudmila Savelyeva


イタリア映画 1970年9月公開
    (上映時間 1時間47分)





(ネタバレあり)
第二次世界大戦が終わって数年。ジョバンナ(S・ローレン)は、
戦地から未だ戻ってこない夫アントニオ(M・マストロヤンニ)の
帰りを待ちわびる日々を送っていました。
そんなある日、復員兵の一人から、夫がシベリア戦線で
行方不明になったことを知らされ、いてもたってもいられなくなった
彼女はウクライナへ夫捜しの旅に出ます。

しかし、彼女には過酷な運命が待ち受けていました。
夫は、命を救ってくれた現地の女性(L・サヴェーリエワ)と
所帯を持っていたのでした。
小さな子供も生まれ、幸せな生活を送っている姿をみたジョバンナは
ただその場を立ち去るしか出来ませんでした。

傷心のままミラノに戻ったジョバンナでしたが、そんな彼女の前にも
やがて別の男性が現われ、もう一度新たな人生を歩み始めていました

その頃、彼女を忘れられないアントニオはミラノまでやってきますが、
戦争によって引き裂かれた溝はあまりにも大きく、
二人は悲しみのうちに再び会うことのない別れの時を迎えるのでした。

              
内容的には、よくあるメロドラマなんですが、
夫の帰りを待つ女の心の揺れ動きを丹念に描いたデ・シーカ監督の演出と、
S・ローレンの迫真の演技によって見事な反戦映画へと昇華しました。

夫の新しい妻と家の中の幸せそうな雰囲気を感じ動揺するシーンや、
夫とは二度と会わないと決めていたのに尋ねてくるとわかると、つい
化粧をしてしまうシーンなど実に細やかな心象描写です。

ひまわり《デジタルリマスター版》