LA MARIEE ETAIT EN NOIR, THE BRIDE WORE BLACK (1968)

黒衣の花嫁(1968)

愛する婚約者を殺された美女が、事件に関わった男達を次から次へと、
血祭りにあげていく華麗なる復讐劇を描いたサスペンスの秀作です。(・∀・)つ

「裏窓」などで知られるミステリー作家コーネル・ウールリッチの原作を、
自らもヒッチコック信奉者の名匠フランソワ・トリフォーがメガホンをとり、
音楽もこれまたヒッチコック映画の常連バーナード・ハーマンが手がけており、
サスペンス・ミステリー映画ファンには堪えられない陣容です。

そして、さらに主演の“復讐の花嫁”を演ずるのは、フランス映画界が誇る
“ミューズ”ジャンヌ・モロー。映画の成功は約束されたようなものです。(笑)

黒衣の花嫁監督: フランソワ・トリュフォー François Truffaut
原作: コーネル・ウールリッチ Cornell Woolrich
脚本: フランソワ・トリュフォー
    ジャン=ルイ・リシャール
音楽: バーナード・ハーマン Bernard Herrmann
出演: ジャンヌ・モロー Jeanne Moreau
    ジャン=クロード・ブリアリ Jean-Claude Brialy
    ミシェル・ブーケ Michel Bouquet
    クロード・リッシュ
フランス/イタリア合作映画 1968年10月公開
     (上映時間1時間47分)



(STORY)
フランスのコートダジュールのアパート。
そこで独身貴族を楽しんでる男の元に謎の美女(J・モロー)が
現われます。その直後、男はアパートのテラスから転落死し、
女は姿を消します。

別の日、銀行員の男の元にまたあの女が現われ、青酸カリを仕込んだ
酒を飲ませ、もがき苦しむ男を尻目に、無表情に立ち去っていきます。

次に若き政治家を密閉した物置に閉じ込め窒息死させようとします。
命乞いをする男は“なぜ自分が殺されなければならないのか”尋ねます。

男の死に際に、女はついに口を開きます。
彼を含めた五人の狩猟仲間が、誤って教会から結婚式を終えて出てきた
彼女の婚約者を猟銃で撃ち殺したこと───。
そして彼女はその五人の行方を執念でつきとめ、復讐の為、一人一人
血祭りに挙げているのだと───。

そして残りはあと二人。。。

                ☆★☆

色仕掛けで男に近づき、冷徹に始末していく様は、まさにJ・モローの
十八番で彼女の冷たく妖しい魅力が、この華麗な復讐劇を際立たせます。

復讐の動機が明らかにされない前半から、中盤以降、幾つかの障害を
復讐への一心だけで乗り切っていく凄みある展開は、なかなかの見ごたえです。

                ☆★☆

ただ、若干の弱点もある映画で、
この作品の批評ではよく言われることですが、すでに、当時中年期に
さしかかったJ・モローに花嫁と言うのがチョットきつい・・・のです。






当時の恋人だった、ピエール・カルダンPierre Cardinの衣装を幾つも身にまとい、
時にはセミヌードも披露するまさに大熱演ですが、カメラが近づくと
やはりあの美貌にも若干の衰えが目立つのは致し方なく。。
これが、白黒映画ならまだ。。。ともつい思ってしまいます。

                ☆★☆

しかし、もっと若い女優サン、当時でしたらカトリーヌ・ドヌーヴCatherine Deneuveや、
ミレーユ・ダルク Mireille Darc あたりだったら、どうだっただろうとも思いましたが、
この映画のラストに用意された凄みのある“落とし前”の付け方は
やはり、J・モローほどの大女優でないと演じられなかったでしょう。
うん、この役はJ・モロー以外には考えられません。(笑)

失礼なことばかり言いましたが、私の憧れのそして稀代の名女優です。(′∀`)

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