SUSPIRIA(1977)

SUSPIRIA(1977) サスペリア

「歓びの毒牙(きば)」L' UCCELLO DALLE PLUME DI CRISTALLO(1969)
「わたしは目撃者」IL GATTO A NOVE A CODE(1970)
などのサスペンス映画に定評のあったダリオ・アルジェントの名を
世界に知らしめたイタリアン・オカルトホラーGiallo の代表作です。(・∀・)つ  

とにかく、残虐な殺戮シーンと原色に近い鮮やかな色彩とプログレロックバンド
“ゴブリン”の雨あられのような狂気のサウンドが凄まじいばかり、

“決してひとりでは見ないでください・・・”という
映画史に残る名キャッチコピーも生み、日本でも大ヒットとなりました。

サスペリア監督: ダリオ・アルジェント Dario Argento
製作: クラウディオ・アルジェント
脚本: ダリオ・アルジェント
     ダリア・ニコロディ
音楽: ゴブリン Goblin
     ダリオ・アルジェント

出演: ジェシカ・ハーパー Jessica Harper
     アリダ・ヴァリ Alida Valli
     ジョーン・ベネット Joan Bennett
     ステファニア・カッシーニStefania Casini
     ウド・キア Udo Kier

イタリア映画 1977年6月公開
  (上映時間1時間39分)



(STORY)
ドイツのバレエの名門校に留学するため、ニューヨークからやって来た
バレリーナ志望のスージー(J・ハーパー)。
激しい雷雨の夜、空港に到着したスージーは、タクシーでバレエ学校に向かいます。
学校に着くと、ここの生徒のパットが何かにおびえる様に飛び出して行きました。

「秘密よ 扉のかげに アイリスが三つ 青を回すのよ」
という謎の言葉を残して・・・

息も絶え絶え、友人のアパートにたどり着いたパットでしたが、
外から進入した何者かにナイフでメッタ刺しにされてしまいます。
そのパットの悲鳴に駆けつけた友人も不運な道づれとなってしまいます。

翌朝、改めてバレエ学校を訪れたスージーは、
副校長のブランク夫人(J・ベネット)やタナー女史(A・ヴァリ)らと対面します。

最初は町のアパートで下宿するつもりのスージーでしたが、
レッスン中、なぞの頭通とめまいに襲われ気を失ってしまいます。
気が付くと寮のベットで、そのまま強制的に入寮させられてしまいます。

学校内では、その後も奇怪な出来事が続き、盲目のピアニストの
ダニエル(F・ブッチ)が自分の犬にかみ殺され、ついには友達になった
サラ(S・カッシーニ)も惨殺されてしまいます。

翌日、サラのいなくなった事を不審に思ったスージーは、サラの友人の
精神分析学者フランコ(U・キア)を訪ねます。
彼の口から、バレエ学校が“エレナ・マルコス”という恐るべき力を
持つ魔女によって設立された学校であることを知らされます。

その夜、スージーは学校関係者が集会を行う秘密の場所を探るため、
足音をたよりに“ある部屋”にたどり着きます。壁にはアイリスの飾りが・・・。
雷鳴とどろく中、スージーはあの雨の夜のパットの言葉を思い出します。

「秘密よ 扉のかげに アイリスが三つ 青を回すのよ」

青いアイリスを回すと秘密の扉が開き、奥の部屋に入っていくと教師たちが
魔女の集会を行っていました。この学校はいまだに魔女たちによって
支配されていたのでした。気付かれたスージーは、別の部屋に逃げ込みます。

するとそこには死んだはずの“エレナ・マルコス”が・・・。
しかし、声がするだけで実体が見えません。

エレナは“おまえに生き地獄をみせてやる”
黒魔術でサラの死体を甦らせスージーに襲いかからせます。
絶体絶命の中、雷の光によってエレナの実体が現われました。
スージーは渾身の力で持っていたガラスのピックをエレナに突き刺します。

エレナの死とともに館が崩れはじめ、教師たち苦悶の中倒れていきます。
スージーは全てが終わった開放感から笑みを浮かべ館を後にします。

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この映画の大きな見所の一つは、観客を恐怖のドン底にたたきこむ
オープニングから約15分あまりのシークエンスの圧倒的な迫力。(つд⊂)
これはホラー映画史に残るものでしょう。
話題作だったのでホラー慣れしてないお客さんも劇場に来ていたせいか、
この冒頭だけで席をたつお客さんもチラホラいらっしゃいました。

D・アルジェント監督の作品の中では残酷趣味と大衆性のバランスが
一番とれていた作品だったように思えます。話もあまり破綻してませんし・・・笑
どちらかと言うと「サスペリアPART2」の方が物語の出来としては
上のような気がしますが、映像・音楽まで含めた総合面ではなんといっても
「サスペリア」でしょう。

ちなみに「サスペリアPART2」は、「サスペリア」より2年前に
作られた作品で、「サスペリア」の大ヒットの便乗で邦題に勝手に
PART2を付けただけの何の関連性も無い作品です。

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音楽担当のゴブリンは、キーボードのクラウディオ・シモネッティを
中心とするプログレシブ・ロックバンドで、アルジェント作品には
「サスペリアPART2」以降、多くの作品に関わります。
アルジェントのインタビューによると、このバンドは映画音楽用に
アルジェント本人が作ったんだそうですね。多才な人です。



サスペリア完全版(サントラ)


                






                                      
サスペリア